2025年、日本では年間出生数が70万人を割り込むという衝撃的なニュースが報じられ、社会全体で出産・育児への不安が広がっています。このような状況の中、株式会社ベネッセコーポレーションの「たまひよ」が全国の乳幼児を持つ父母2,062人を対象に行った「たまひよ妊娠・出産白書2026」の調査結果が公開されました。この調査は、変化する妊娠・出産・育児環境における父母の意識と実態を明らかにし、より良い社会づくりへの貢献を目指しています。
母親の約4割が「産後ケア」に注目
今回の調査で、母親が2025年に妊娠・育児に関連して印象に残ったニュースとして、約4割が「産後ケア」を挙げています。これは「年間出生数70万人割れ」に次いで2番目に高い関心事でした。

ここでいう「産後ケア」とは、出産後の母親が慣れない育児で疲れてしまいがちな時期に、育児の支援や心身のケアを提供するサポートのことです。自治体や民間でも産後ケア事業が広がりつつあり、母子の健康促進に欠かせない重要なケアとして注目を集めています。
高い認知度と低い利用率が示す「アクセスの壁」
「産後ケア」という言葉の認知度は非常に高く、母親の9割台半ば、父親の8割台半ばがその存在を知っています。しかし、実際に産後ケアを利用した、または利用する予定のある母親は全体の約3割にとどまっています。この認知度と利用率の大きなギャップは、「アクセスの壁」が存在することを示唆しています。

さらに、この利用率には世帯年収による差があることも明らかになりました。高年収層ほど利用率が高い傾向にあり、情報や経済面での格差が利用のしやすさに影響している可能性が推察されます。

不安・孤独・経済負担が重なる「産後のリアル」
産後ケアへの関心が高まる背景には、出産・育児における父母の強い不安や孤独感、そして経済的負担があります。現代の育児は、配偶者やパートナー、親族中心で行われる傾向が強く、特に都市部では「里帰りしない」と計画する家庭が約6割を占めるなど、自宅で産後を乗り切るケースが増えています。
母親の約7割、父親の約半数が「日本は出産・育児がしやすい社会ではない」と感じており、その最大の理由として経済的な不安が挙げられています。このような心理的・経済的な負担の大きさが、産後ケアへのニーズを高めていると考えられます。

産後ケアが「当たり前」になる社会へ
今回の調査結果は、産後の母親たちが抱える不安や孤独感の増加、そして出生数減少という現状の中で、「産後ケア」がいかに重要であるかを浮き彫りにしました。現在、産後ケア事業は自治体の努力義務として全国で拡充が進められていますが、認知と利用のギャップ、経済・情報格差による利用の偏りは依然として大きな課題です。
産後ケアへの高い関心は、産後すぐの育児の負担がいかに大きいかの表れです。また、利用が進まない背景には、「休養したり、サポートを受けたりすることに抵抗を感じる」といった心理的な要因もきっとあるでしょう。
産後ケアは、施設を利用するだけでなく、周囲からの声かけや手助け、温かい見守りなども含めた広い意味で捉えられるべきです。「休んでいいんだよ」というメッセージが社会全体に浸透し、ママやパパがケアやサポートを受けることが当たり前になるような社会の実現が心から願われます。
「たまひよ」は、産後支援も「チーム育児」の一環と捉え、社会全体でこの機運を高めていくことを目指しています。

より詳しい調査結果は以下のリンクからご覧いただけます。
