年収の壁で「働き控え」?社会保険が最大の原因、制度理解の壁を乗り越えるには

国民健康保険

年収の壁で「働き控え」?社会保険が最大の原因、制度理解の壁を乗り越えるには

パートやアルバイトで働く方が直面する「年収の壁」。収入が増えると、社会保険料や税金の負担が急に増え、結果的に手取りが減ってしまうことがあるため、働く時間を調整する「働き控え」が社会的な課題となっています。

『しゅふJOB総研』が行った調査では、この「年収の壁」に関する制度を「理解していない」と回答した人が全体の33.2%に上ることが判明しました。特に30代以下の若い世代では、約半数(45.4%)が「理解していない」と答えており、制度の複雑さがうかがえます。

年収の壁に関する制度の理解度: 年代別比較

「働き控え」の主な原因は「社会保険」

この「働き控え」が起きる原因として、最も多くの人が挙げたのは「社会保険」でした。具体的には、会社員が加入する「厚生年金と被用者保険」(いわゆる106万円の壁)と、自営業者やパートなどで会社の社会保険に入っていない人が加入する「国民年金と国民健康保険」(いわゆる130万円の壁)が挙げられます。

社会保険に関連する選択肢をまとめると、回答者の67.4%が働き控えの原因に「社会保険」を挙げています。

年収の壁として、働き控えの原因になっていると思うもの(社会保険関連の選択肢をひとまとめにした場合)

社会保険の壁を超えると、手取り額がガクンと減ってしまうため、「働き損」という感覚になりやすいことが、働き控えにつながっていると考えられます。制度を「理解している」人ほど、社会保険を働き控えの原因として認識する割合が高い傾向にありました。

年収の壁として働き控えの原因になっていると思うもの:制度の理解度別比較 ※「社会保険」関連の選択肢をひとまとめにした場合

2026年4月からの130万円の壁の変更

2026年4月からは、社会保険の扶養枠上限である年収130万円の判定基準が変更される予定です。これまでは残業代を含めた実績や見込み額で判断されていましたが、今後は労働契約の内容で判定されるようになります。この変更によって、働き控えが減ると「思う」と回答した人は36.8%でした。

2026年4月からの社会保険の扶養枠上限である年収130万円の判定基準変更に関するアンケート結果

しかし、制度が複雑なままで改正を重ねると、さらに分かりにくくなる懸念も指摘されています。

働く人々の声

調査では、年収の壁に対する具体的な声も多数寄せられました。

  • 「社会保険の壁を超えるのがかなりハードルが高かった」(50代:パート/アルバイト)

  • 「保険料が高すぎることが全ての原因。低くなれば、年収の壁を気にする人は減るのでは」(50代:フリー/自営業)

  • 「年金が増えるといっても未来の話なので、今子育てしていて苦しいのであまり年金が増えるからたくさん働こうとは思えない」(40代:パート/アルバイト)

  • 「計算しながら働くのは面倒でストレスだと思う」(40代:派遣社員)

  • 「もっと簡単にわかりやすくしてほしい」(40代:パート/アルバイト)

  • 「壁を作るから働き控え問題がでてくるので、逆に少額の収入にも社保加入にしたらいいと思う」(40代:今は働いていない)

  • 「壁を作るのではなく、坂道を上るようになだらかにすることが大事なのではないかと思う」(40代:今は働いていない)

これらの声からは、制度の複雑さに対する不満や、手取り減少への不安、そして子育てとの両立の難しさなど、働く人々が抱える様々な課題が見えてきます。

まとめ:制度理解の壁を乗り越えるために

「年収の壁」問題の背景には、制度そのものの「理解の壁」が大きく立ちはだかっていることが今回の調査から明らかになりました。

社会保険の仕組みは複雑で分かりにくいと感じるかもしれませんが、将来の年金額や医療費の保障など、加入することで得られるメリットも存在します。自分にとって最適な働き方を見つけるためには、制度を正しく理解し、長期的な視点で考えることが大切です。もし制度について不明な点があれば、自治体や専門機関に相談することも一つの方法です。

本調査の詳細については、しゅふJOB総研のウェブサイトで確認できます。

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